本日は出展作品をご紹介したいと思います。
五十嵐さんは、大きな作品の印象が強いですが、小ぶりの実用的な食器も制作しておられます。
気になるものがございましたら、お問い合わせ下さい。
五十嵐裕貴さんの個展、開催中です。
今日は彼の作品の大きな特徴である色「黒」について書きたいと思います。
以前の作品は素地のままのものもありましたが、今回の個展は全て墨で染められた黒の作品でした。
素地のままの木の大きな魅力は、やはり木目。視覚的に木目は美しく、自然と目がいってしまうものです。
勿論それも木という材料の大きな魅力なのは間違いありません。
ですが、今の五十嵐さんの考えは少し木目から離れみようというものだそうです。
木も100年も生きていると、台風に合ったり虫に食われたり、様々な困難が起こり死んでしまいそうなことがあります。
材木になった後も、チェーンソーで切られ、水分が抜けて乾燥による割れが起こる。
最終的に彼の手によって作品となった木には、割れや穴、チェーンソーで切られた痕でさえ見ることができます。
魅力的な部分、美しくて当然のものから一度視線をそらし、本来少し目を背けたり隠してしまいたいような部分にも目をやり愛してほしい。
一度、黒く塗りつぶし視覚から木目を消してしまうことで、それらと向き合ってほしいという気持ちがそこにあるのです。
「黒」には、そのような思いが込められています。
そして、その色が偶然格好良かったということ。
現在彼が向き合っているもの、皆さんに向き合って欲しいものが、今のフェーズを脱する時、違う姿の作品になるかもしれません。私達はそれも楽しみに待ちたいですね。
—-
五十嵐裕貴 個展
2017年3月18日(土)〜26日(日) 13時-19時営業
会期中休業日:21日(火)
作家在廊日:18日(土)・19日(日)
—-
先週の土曜日から五十嵐裕貴さんの個展が始まっています。
制作の事や作品の事をお聞きしましたので、少しずつご紹介していきたいと思います。
昨年、長野にある五十嵐裕貴さんの工房へお邪魔した時に制作の様子を撮影させていただきました。
五十嵐さんの作品は旋盤と呼ばれる機械を使って行われています。
陶芸のろくろと似た仕組みで、高速で回転する材料を削って作品を仕上げていきます。
通常、旋盤では小ぶりなお皿やお椀、テーブルの足等の円柱状のものを制作するのが一般的ですが、彼は最大直径60㎝近くの大きな作品も旋盤で制作します。深さのある作品も多く、さらには腐食や虫食いなどで穴の開いた材も使うことがあります。
それを薄く薄く仕上げていく…、その難しさは想像に難くないと思います。
自分にしかできない技術を持ちたい、人と違うことをやりたい、と言う気持ちと、アフリカやアジア等の大らかで大きな水甕の形から着想を得ることがあるという感性からそのスタイルを貫いているそうです。
—-
五十嵐裕貴 個展
2017年3月18日(土)〜26日(日) 13時-19時営業
会期中休業日:21日(火)
作家在廊日:18日(土)・19日(日)
—-