残欠 繕い 明日から

明日から「残欠・繕い」展が始まります。
骨董・古道具屋さん3店と作り手のお2人を招いてのグループ展です。

お客様から結局どういう展示なの?というご質問があったので、それについて少し書きます。

古道具チームからは、陶磁器、金属、木etc.と材質は問わず、欠けていたり、それを金や銀・真鍮や接着剤や鎹(かすがい)で繕ったものを中心に集めて貰いました。
中には、発掘物や何だかよく分からないけど何かの成れの果てのようなものも。

作家・美術家チームからは上述のようなものからインスピレーションを受けた作品や、実際にちくちくと繕われた作品を。現代の作品でありながら既に残欠的様相を持ったものを用意してもらいました。

骨董好きからしたら残欠や繕いという言葉は馴染みのある単語なのですが、そうではない方からしたら何それ??という感じ…でしょうか?(私には馴染み過ぎて判断できません。笑)

この企画は、実は店舗を持つ前からいつか店を持てたらやりたいと思っていた企画です。
個人的に古物を楽しんでいた頃から、完品(この言葉も馴染みがない?傷の無い品のことです)よりも少し欠けていたり、それを繕ってあったり、もっと言えば欠片や破片のような見方によっては限りなくゴミに近いものにも惹かれていました。
欠けていれば良いという訳ではなく、自分の中で絶妙なバランスを持つものに惹かれるんです。

この趣味は自分だけの特殊なものではなく、古くは利休の時代から繕いを楽しんだり、残欠を花器に見立てたりするようなことがありました。
海外でも繕いのある陶磁器が見つかることがありますが、それはどちらかと言えば物を大事にする精神から来ているものが多いようです。

日本人特有の詫びや寂び、儚さ・不完全なものに宿る美しさに惹かれるというやつなんでしょうが、これは言葉や説明でではなく実際見てどうでしょう?惹かれませんか?という場を作ってみたかったというのがあります。

残欠や繕われたもの達ばかりを集めるとどういう空間になるのか、今回設営をしてみてやはり、かなりヘヴィな雰囲気になりそうです。
マニアックですが、自分の部屋に持ち帰り、ニヤニヤと愛でたいものを是非見つけてやって下さいね。
私はもう見つけています。

「残欠・繕い」展

2016年9月10日(土)〜24日(土)
10、11、12、15、16、17、21、22、23、24日 13-19時 営業
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出品者
じんた(古物)
田島喜志子(造形)
タユタフ(古物)
ナイマ(古物)
福田匠(造形・絵画)
toripie(古物)

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坩堝残欠